インシビリティとは?パワハラの芽を摘む3つの対策と研修事例
「職場の雰囲気がどうもギスギスしている」
「些細な言動が原因で、チームの生産性が落ちている気がする」
こうした問題にお悩みの企業様はいませんか。
その原因は、見過ごされがちな「インシビリティ(Incivility)」、つまり「些細な、無礼な行為」にあるかもしれません。
こちらの記事では、20年以上、企業や組織向けの研修用映像教材の企画・製作・販売に携わってきた株式会社アスパクリエイトが、以下を解説します。
- パワハラの芽となりうるインシビリティの定義
- パワハラとの法的な違い
- 放置することで生じる3つの深刻なリスク
パワハラを未然に防ぐための具体的な対策が学べるため、ぜひ最後までお読みください。
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https://www.asp-create.com/catalogues/view/1689/
パワハラ未満のインシビリティとは
インシビリティとは何か、パワハラとの違いや企業への影響も含めて具体的に紹介します。
インシビリティとは何か
インシビリティとは「相手に害を与える意図が曖昧な無礼な行動」と定義され、本人に悪意や自覚がないケースも多いのが特徴です。
しかし重要なのは意図ではなく、その行動が相手にどう影響するかどうか。たとえ無意識でも、無礼な行動は相手に心理的な負担を与えます。
一つひとつは些細に見えても、繰り返されれば従業員の心理的安全性を損ない、チームの連携ミスや生産性の低下につながります。
インシビリティは職場の「ギスギス感」につながり、決して軽視できない問題なのです。
これってインシビリティ?10の具体例を紹介
では、具体的に、どのような言動がインシビリティと見なされるのでしょうか。
ある調査(PR TIMES発表)では、ビジネスパーソンの約8割が「見下した態度」や「無視・仲間外し」をインシビリティだと感じています。
職場で注意すべきインシビリティの具体例は以下のとおりです。
- 舌打ちや鼻で笑うなど、相手を見下した態度をとる
- 挨拶を無視したり、意図的に仲間外れにする
- 相手の意見や言い分に耳を傾けない
- 話をしているときにPC画面から目を離さないなど、相手を見ない
- 相手が話している途中で話を遮る
- 本人がいないところで陰口を言う
- 皮肉や嫌味を言う
- 不機嫌な態度をあからさまに示す
- 相手を不必要に待たせる
- 業務上必要な情報を意図的に共有しない(メールのCCから意図的に外すなど)
特に「無視」や「仲間外し」は、厚生労働省が示すパワーハラスメントの6類型の一つ
「人間関係からの切り離し」に該当する行為とされています。
これらは一見軽く見られがちですが、就業環境を害する行為として軽視できません。
参考:PRTIMES|ハラスメントの『芽』となるインシビリティな言動。最も多くの人が「インシビリティだ」と感じるのは、「舌打ちや鼻で笑うなど、見下した態度をとる」言動という結果に。
また、「インシビリティ」を経験すると、離職のハイリスク群に入る確率が2.17倍に上昇するという調査結果もあり、企業にとっては見過ごせないところです。
参考:PRTIMES|「インシビリティ(敬意を欠いた非礼な言動)」によって離職リスクが大幅に増加
インシビリティとパワハラの決定的な違いとは?パワハラ3要件で整理
インシビリティ自体に、法律上の明確な定義はありません。
しかし、無視や嫌味といったインシビリティが繰り返された結果、以下の「パワーハラスメントの3要件」を満たすと判断されれば、それは法的にパワーハラスメントと見なされます。
パワーハラスメントの3要件
- ①優越的な関係を背景とした言動であること
- ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
- ③労働者の就業環境が害されるものであること
参考:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 | e-Gov 法令検索
つまり、インシビリティは「パワハラの芽」。早期の気づきと対策が、職場の健全性を守ることにつながるのです。
| 区分 | インシビリティ | パワハラ |
|---|---|---|
| 法的な扱い | 法律上の定義なし | 労働施策総合推進法で定義あり |
| 行為の性質 | 軽度・無意識であることも多い | 力を背景にした行き過ぎた叱責・指導 不適切な叱責・指導 |
| 影響 | 不快感・信頼が低下 周囲への影響(メンタル面・生産性)が大きい |
精神的苦痛・就業環境の悪化 |
| 対策 | 研修・意識づけ | 相談・調査・是正措置 |
こうしたことから、インシビリティとパワハラは別の概念であっても、同じ線上にある行動といえます。
インシビリティ対策がパワハラの芽を摘む
インシビリティは、パワハラに発展する手前の危険な「グレーゾーン」です。一つひとつの言動は些細でも、放置すれば職場環境は確実に悪化し、やがてパワハラへと移行する可能性があります。
この見過ごされがちな段階で対策を打つことは、単にパワハラの発生自体を未然に防ぐだけでなく、法律で定められた企業のパワハラ防止措置の義務を果たす上でも極めて重要です。
だからこそ、今まさに企業として注目すべきテーマといえるでしょう。
インシビリティが職場に与える3つの深刻なリスク
次にインシビリティを放置することで職場に起こるリスクを御紹介します。
リスク1:従業員のメンタル不調と生産性の低下
インシビリティが蔓延する職場では、従業員は日々ストレスに晒されます。無視や軽視は自尊心や意欲を奪い、業務への集中力を低下させ、メンタル不調に直結します。
厚生労働省の調査(2024年)では、メンタル不調で1か月以上休業した労働者がいる事業所は10.2%に上ります。
インシビリティは目に見えにくい形で従業員を疲弊させ、休職や離職の引き金となり得るのです。
さらに、その影響は被害者本人だけでなく、周囲の同僚やチーム全体にも伝播します。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r06-46-50_gaikyo.pdf
リスク2:チームの雰囲気悪化と離職率の上昇
インシビリティは、チームの「心理的安全性」を破壊します。心理的安全性が低いと、従業員は発言をためらい、新しいアイデアや建設的な議論は生まれません。
生産性の高いチームの最も重要な共通点は、心理的安全性といわれています。安心して意見をいうことが出来ない、そして成長も感じられない職場は、エンゲージメントを低下させ、優秀な人材の流出につながります。
チームの安全性と心理的安全性の関係については下記記事でも取り上げていますので、是非ご覧ください。
リスク3:放置すれば重大なパワハラへ発展
インシビリティは放置するとエスカレートする傾向(インシビリティ・スパイラル)があります。
小さな無礼が許される環境では、より攻撃的な言動へのハードルが下がり、やがては誰もがパワハラと認識する重大な問題へと発展します。
インシビリティが蔓延するところはパワハラの温床ともなりやすいため、問題が軽微なうちに組織として対応し、負のスパイラルを断ち切っておくことが重要です。
組織が今すぐ取り組むべき3つのインシビリティ対策とは
インシビリティ対策は、個人の問題とするのではなく、職場で取り組む必要があります。なぜなら、職場の風土を作るのは組織だからです。
対策①組織の態度の表明と周知
まず、安全に働ける職場をつくることを方針とし、従業員に周知することから始めましょう。
事業主には職場安全配慮義務がありますが、従業員が「安全に働ける」ことには心理的に安心して働けるための環境整備も含まれています。
そのため、インシビリティのない職場環境作りは、この義務の一環として位置づけられると考えられます。
定期的な研修や社内啓発を通じて「インシビリティのない安全な職場環境づくり」に取り組んでいきましょう。
対策②コミュニケーション活性化の仕組みづくり
日頃から風通しの良いコミュニケーションが取れる環境整備が欠かせません。
上司と部下が1対1で対話する「1on1ミーティング」の定例化や、部署を越えた交流の機会を設けるなど、相互理解を深める仕組みづくりが有効です。
また、問題の「芽」を早期に摘むために、定期的な研修を実施し「インシビリティ(無礼な対応)はNG」という意識を浸透させることも重要です。
さらに、社内アンケートなどで職場の実態をモニタリングし、兆候があれば速やかに対応する体制を整えましょう。
対策③相談しやすい窓口の設置
従業員が安心して相談できる窓口を設置し、迅速に対応することが有効です。
相談のハードルを下げ、きちんと相談に対応したり、プライバシー保護を徹底すること、二次被害を防ぐことなどで、問題の早期発見・早期解決につながります。
インシビリティ対策には「研修」が効果的
様々な対策の中でも「研修」は特に効果的です。
従業員自身では気づきにくい「無意識の無礼」に着目し、行動を見直すきっかけを与えてくれる点からです。
以下で、どのような研修を実施すれば効果的か、具体的に解説していきましょう。
研修がもたらす3つの効果
研修を実施することで、主に以下の3つの効果が生まれます。
| 心理的安全性の醸成 | 相互尊重が共通認識となり、誰もが安心して意見を言えるチーム作りにつながる |
|---|---|
| パワハラの未然防止 | 問題の芽を早期に発見・是正する文化を醸成し、重大なパワハラへの発展を防ぐ |
| 管理職のスキル向上 | 特に管理職は、部下の言動に適切に介入する知識とスキルを身につけられる |
このように、研修はインシビリティ対策において多角的な効果をもたらすのです。
失敗しない研修の選び方
1. 目的と対象者は明確か
まず「誰に、何を学んでほしいのか」を明確化しましょう。例えば、以下のとおりです。
| 対象者 | 目的 | 内容 |
|---|---|---|
| 全社員 | 意識啓発 | インシビリティの基礎知識 |
| 管理職 | スキルアップ | 部下への指導方法 |
研修の目的と受講者がズレていると、期待した効果は得られません。
2. 内容は具体的で実践的か
単に知識を聞くだけの研修では、実際の行動はなかなか変わりません。
自社で起こりがちな場面を想定したケーススタディや、対話形式のロールプレイングなど、受講者が「自分ごと」として考え、明日から職場で活かせる具体的なスキルを学べるプログラムを選びましょう。
3. 法令や指針に準拠しているか
パワハラ対策であれば、事業主には啓発の義務があるため、研修内容が法令や指針に基づいた正確なものであることが欠かせません。インシビリティが疑われる状態は、ケースによってはパワハラになり得ることは既にお伝えした通りです。
社内の研修や啓発の内容が、最新のパワーハラスメント防止法などや、厚生労働省の指針にきちんと準拠しているかを、今一度確認してみてください。
パワハラなどハラスメントに関する企業の取り組み方については、下記記事でもご確認いただけます。
ハラスメント研修は義務化?罰則は?【2025年最新】企業の4つの必須措置と効果的な実施方法を解説
パワハラの芽を摘む効果的なインシビリティ研修はアスパクリエイトで
これまで解説したように、挨拶の無視やため息といった「小さな無礼(インシビリティ)」を放置することは、重大なパワハラの温床となり、企業の法的リスクにも直結します。
この問題の根本解決には、従業員一人ひとりが無意識の言動に気づき「自分ごと」として捉えるための研修が不可欠です。
しかし、全社員を集めての研修は簡単ではありません。
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