新入社員に研修動画を導入するメリットを紹介!
従来は新入社員研修と言えば会場を用意して対面で一斉に行うのが主流でした。しかし、最近では新入社員の研修に動画を導入している企業が増えています。動画による研修は、実施する人事担当者と受講する新入社員それぞれに良い影響が期待できるため注目されている研修手法の一つです。本記事では新入社員研修に動画研修を導入するメリットや、効果的に活用する方法についてご紹介します。ぜひ企業内で取り入れる際の参考にしてください。
新入社員に研修動画を導入するメリットを紹介!
効果的に活用するポイントも解説

新入社員が無事に入社したら、続いて新たな社員を活躍できる「人財」に育てることが求められます。そのために効果的な研修企画を日々模索しているという育成担当者も多いのではないでしょうか。
これまでは研修というと対面で研修担当官が行うというイメージが強くありましたが、近年では動画を活用して効率的に研修を実施する企業が増えてきています。
この記事では新入社員研修に研修動画を導入するメリットや、実際に活用する際に押さえておきたいポイントをご紹介していきます。
新入社員研修の主な種類と特徴

研修を実施する手法は大きく分けて3つの種類があります。効果的な研修を実施するためには、その目的に合わせて適した手法を使い分けることが大切です。それぞれの研修について特徴を交えて解説していきますので、選択する際の参考にしてみてください。
対面での研修
これまでは新入社員研修というと対面での研修が一般的とされてきました。研修全体の中で占める割合は変わってきていますが、現在も対面での研修を取り入れている企業は多くあります。
対面研修は直接伝えられるため最も研修担当者の熱量が伝わりやすく、メッセージ性の強い研修の実施に適しています。型を身に着けたり、グループワークを用いるカリキュラムなどのほか、直接顔を合わせることで新入社員同士のコミュニケーションも取りやすいため、同期同士の関係性構築も目的として導入することの多い手法です。
オンラインでの研修
在宅勤務やリモートワークが増えたことで活用する企業が増えた研修手法です。
オンラインで各拠点をつないで一度に研修実施ができるので、会場費や移動費のコストを削減することができます。OJTの最中などの業務の合間でも実施しやすく、研修を効率化させることが可能です。
ただし、受講者の様子が把握しづらいため適宜受講者の理解度の確認が必要です。一方的に情報を伝えるだけの研修になってしまいやすい上、まだ組織に馴染んでいない新人への研修でオンライン研修が多用され過ぎると孤独感を強めてしまうことが懸念されるので、工夫を加えながら取り入れることが大切です。
動画を活用した研修
近年、新入社員研修に導入している企業が増えているのが動画による研修です。
一般的には研修内容を動画化し、新入社員が各自で視聴するという手法で行われます。動画制作の段階で確認や修正できるので、情報に誤りのない高品質な研修を受講生に届けることができます。システムの操作方法や、対応マニュアルなど、均一に伝えたい内容の研修に適した手法です。
新入社員では、毎年ある程度決まった内容のカリキュラムを実施しなければなりませんが、動画研修の場合は、用意した動画教材を何年か使える場合がありますので、他の研修スタイルに比べてコスト面、担当者の労力の面でも効果的です。中途採用者についても使用できるものもありますので、内容に合わせて研修方法を選ぶことが大切です。
また研修用の動画は、個々の理解度に応じて、復習にも使えるというメリットがあります。
研修動画の4つの形式と特徴

社員研修として活用する研修動画には大きく分けて4つの形式があります。研修コンテンツによって形式を使い分けることで、高い研修効果を期待できる動画に仕上げることができます。それぞれの特徴や適した研修について解説していきますので、動画研修を制作する際に参考にしてください。
セミナー形式
セミナー形式は、講師が受講生に向けて講義をする様子を動画にしたもののことを指します。対面研修で行う研修を録画することで研修動画にできるので、制作の手間を省くことができ動画にしやすい形式の研修です。
より研修効果を高めるのであれば、制作に時間はかかりますが講師がカメラに向かって講義をしている動画を撮影するのがおすすめ。自分に語りかけてきているように感じる動画に仕上げることができるため、集中力が高まりメッセージが伝わりやすくなります。
セミナー形式の研修動画は熱意をダイレクトに伝えやすいため、社長や経営陣からのトップメッセージに最適な形式です。また、専門家による講義やプレゼンテーション技術、プロジェクト管理など、スキルや知識を学ぶ事が目的の研修にも適しています。
マニュアル形式
業務の手順や顧客対応の流れなど、マニュアルとして決められている内容を伝えるのに適した形式です。
この形式の動画では、実際の操作の映像や顧客対応のロープレの映像などを取り入れながら、わかりやすく伝えているのが特徴。文字や画像だけでは伝わりにくい内容も、映像によって具体的にイメージしながら受講できるので高い習熟度が期待できます。ビジネスマナーやコミュニケーションなども動画教材に向いた内容です。
また、情報量が多くなりやすいので、手元資料を併せて用意しておくのがおすすめです。
実務に直結する内容を扱う場合には、いつでも受講生が見返せるように研修動画を渡しておくとさらに効果的に研修動画を活用できるでしょう。
ドキュメンタリー形式
社員が実際に働いている現場の映像や、インタビューを収めた研修動画をドキュメンタリー形式と言います。
実際の場面の映像を見せることができるので、やや長尺の研修になっても集中が続きやすいのが特徴です。
新入社員の研修であれば先輩社員の声を届けるような研修に適しています。また、会社説明会などでも多く活用されている動画の一つです。
ドラマ事例形式
研修で伝えたい内容を再現ドラマ化することで、受講者に具体的なイメージをもってもらえる、効果が高い形式です。
例えばお客様対応を伝える研修などでは、スライドだけでは実務に応用するイメージを持つのは難しいでしょう。しかしドラマ事例形式であれば、具体的なシーンを再現することができるので、リアルに受講生にイメージを持ってもらうことが可能です。
またハラスメント研修などでは、ストーリーや言動の様子が俳優の演技などで描かれることで実際の場面を想像することができ、そうしたドラマが感情を引き起こす内容を含むことから、受講者はインパクトを受け、感情的にも強くイメージを持つことができます。
新入社員研修ではまだ現場のイメージを持てていない社員が大部分になるため、研修コンテンツにドラマ形式の動画教材を加えることで、特に効果を発揮できる形式であると言えるでしょう。
新入社員研修に動画を活用するメリット

実施する研修の目的によって適する手法は異なります。各手法にはそれぞれのメリットやデメリットがあるためです。
ここからは動画研修を活用するにあたり、受講生である新入社員にとってのメリットと研修を運営する側のメリットをそれぞれ2つずつご紹介します。
導入する際の参考にしてみてください。
【新入社員に動画を使うメリット1】習熟度に合わせて研修を受講できる
同じ研修を受講しても、新入社員それぞれで習熟度は異なります。
例えばシステムに関する研修であれば、システムの知識が豊富な社員と苦手な社員では一度の研修で理解できる深さに差が出るのは当然のことです。また中途入社の社員であれば、入社までに経験してきたことが異なるため、習熟度の差が出ることは少なくありません。
動画による研修であれば繰り返し視聴することができ、このような個々の習熟度の差を埋めることができます。くり返して使用できるのが動画研修ならではのメリットと言えるでしょう。
【新入社員に動画を使うメリット2】高品質な研修を受講できる
研修において、講師によって伝え方のニュアンスが変わってしまうのはよくあることです。また同じ講師であってもその時の体調などにより、講話に差が出ることはあるものです。
しかし動画であれば、全く同じ内容・クオリティの研修を全新入社員が受けることができるので、差をつくることなく伝えることが可能。
また動画を制作する過程で、伝えている情報に誤りがないか、伝わりやすい内容になっているかなどをチェックすることができるため、研修自体のクオリティを高めることができます。覚えなければならないことが膨大にある新入社員にとって、高品質でコンパクトにまとまった研修を受講できるのは大きなメリットになるでしょう。
【研修運営側のメリット1】コストを削減できる
いくつもある研修手法の中で、動画による研修は最もコストがかからない手法です。
まず、会場費や受講者の交通費・日当などの旅費が掛かりません。また動画はオンラインで使用されることが多いため、スケジューリングに係る費用も抑えることができます。
もちろん動画の制作を外部に委託したり、動画コンテンツを購入する場合には高額になることもあるかもしれませんが、外部講師を呼ぶことなどと比較すれば安価かもしれません。
また、動画は一度制作したり購入したりしてしまえば、その後は何回使用してもコストは掛からないため、長期的な目で見れば最もコストのかからない研修と言えるでしょう。
【研修運営側のメリット2】研修担当者の負担を軽減できる
研修担当者は、研修が行われる度に多くの時間をかけて研修を作り込んだり、講義を行ったりされていることでしょう。それがミッションであるとはいえ、毎度膨大な時間をかけなくてはならないことは、かなりの負担であるのは間違いありません。
そこで研修動画を活用できれば、このような負担を大きく軽減することができます。
会場設営や話者としての登壇も必要なくなるので、準備から実施までをスムーズに進めることが可能。研修自体のブラッシュアップを検討するなど他の業務に向き合うこともできるようになり、人材育成の質を向上させることに繋がります。
業務の好循環が生まれやすい環境を整えられるので、研修担当者の負担軽減には多くのメリットがあると言えるでしょう。
新入社員研修で動画を効果的に活用するためのポイント
新入社員の研修に動画を取り入れることのメリットはこれまでにご紹介してきましたが、一方でデメリットとされていることもあります。
ここからはデメリットとなることを防ぎ、より効果的に研修動画を活用する方法をご紹介していきます。ぜひ動画教材制作の際の参考にしてみてください。

受講者を孤立させない
動画を用いた研修はオンラインで実施されることが多いため、一人で受講することになります。これからの生活に不安があるところですが、社内に知り合いがいない状態で研修を受けるため、孤立することを避ける仕組みを作っておく必要があります。
まず相談しやすい環境をつくることが必要です。悩んだときにすぐに相談できるような場所・人を用意することでモチベーションを維持することができます。
そしてチャットなどのコミュニケーション手段を活用し、リアルタイムで受講者同士が交流を持てるようにしておきましょう。同期との人間関係の構築も、大切な研修の一環です。
また作りこんだ動画教材だけでなく、ライブ配信を混ぜるなどの工夫も必要です。
アウトプットをセットで設計する
研修動画は動画という性質上、情報を一方通行で受け取る形式が基本です。また、一人で受講している状況も多くなるのでどうしても集中力が欠けてしまいやすいというデメリットがあります。
緊張感を持ちながら情報を聞き取れるよう、ミニテストの実施やレポートを出すなどのアウトプットをセットにした研修設計をするのがおすすめです。最後にチェックがあるとわかっていれば、集中して受ける姿勢を促進する効果が期待できます。また、研修の習熟度を研修運営側が確認することができるので、個別のフォローアップもしやすくなり、研修効果を高めることにも繋がります。
まとめ

新入社員研修に動画研修を導入することで得られるメリットは多くあります。
ご紹介してきたポイントを押さえながら上手に動画研修を活用することで、より効果的な研修にすることも可能に。
新入社員の研修手法の一つに動画研修を取り入れてみてはいかがでしょうか。