「心理的安全性」を高めれば組織改善が可能!
この記事では、チーム力を高めるための「心理的安全性」の研修を効果的に進める方法やメリット・デメリットについて解説しています。
「心理的安全性」のそもそもの意味や、効率よく取り入れる方法についても紹介していますので、研修担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
「心理的安全性」を高めれば組織改善が可能!
研修実施のメリットやデメリットについても解説

最近では組織改善の一環として「心理的安全性」を高める研修を取り入れている企業が増えてきています。
「業務の生産性を高めたい」「チームビルディングがうまくいっていない」など、抱えている悩みは企業によって異なりますが、「心理的安全性」を高めることで悩みの根本になっている社員間の人間関係を改善する効果が期待できます。
この記事では、世間でも注目されている「心理的安全性」を高める研修のメリットやデメリット、効果的な研修実施のコツについて紹介していきます。
ぜひ社内のチーム作りに悩んでいる研修担当者の方は参考にしてみてください。
「心理的安全性」とは
「心理的安全性」とは、ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるエイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念です。
所属している組織で対人関係のリスクを心配する必要がなく、自分の思いや考えを発言しても安全であることが共有されている状態のことを言います。
「心理的安全性」が低い組織では、自分の発言を疎ましく思われたり、自分の評価を下げるかもしれないというような不安を強く感じてしまいます。
そのため、意見が活発に出ることはなく、受け身の体制で仕事をするのが当たり前の組織になってしまいがちです。
社員のモチベーションやパフォーマンスの向上を期待できることから、現在では「心理的安全性」は優秀なチーム作りに必須な考え方として多くの企業から注目されています。
「心理的安全性」の研修で目指すゴール

「心理的安全性」の高い組織づくりのためには研修の実施が近道です。
「心理的安全性」の研修を実施する目的は、メンバー個々のパフォーマンスが発揮でき、それによりチームの生産性を向上させることです。
このことは、Googleでの4年間をかけた研究により、能力の高いメンバーで構成されたチームよりも「心理的安全性」が高いチームが収益性の高いパフォーマンスを発揮することがわかって注目されました。
Googleのこの研究結果がニューヨークタイムズに公表されたことで、チーム作りの重要性が注目されるようになりました。
研修を通して「心理的安全性」の高い組織づくりができるようになれば、結果として企業のさらなる成長に繋げられます。
現在では、多くの企業で「心理的安全性」を高めることを重要視して研修を導入しています。
「心理的安全性」の向上で企業の発展が狙える

「心理的安全性」を高めることで従業員の働きやすさが大きく変わってきます。
日々の業務や会議の中で感じたことや意見を率直に述べられるようになるため、問題点を改善させたり、企画をブラッシュアップさせることにも繋がります。
自分の意見が否定されない環境があるので、自ら考えて行動に移せる主体的な姿勢の社員が増え、生産性の高いチームとなるでしょう。
また、会社員の退職や休職理由の大半が職場の人間関係によるものですが、「心理的安全性」が高い組織では精神的に安心できる健全な人間関係が構築されているため、離職率が低いのも特徴です。
個々の仕事のパフォーマンスが向上する上に、優秀な人材の流出まで防げるようになるので、企業の更なる発展に繋がることが期待できます。
「心理的安全性」を高めることは従業員にとってはもちろん、企業にとってもメリットが多くあると言えるでしょう。
「心理的安全性」を高める研修のデメリット

生産性の高い組織を作る上で「心理的安全性」を高めることが重要であることは、ここまでで説明してきました。
一方で、研修実施をする上でいくつかのデメリットがあるのも事実です。
ここからは「心理的安全性」を高める研修を実施する際に考えられるデメリットについて解説していきます。
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 研修実施までの準備の難易度が高い
研修を運営する担当者がデメリットについても正しく認識しておくことで、より良い研修実施に繋げられます。
それぞれについて解説していきますので、参考にしてみてください。
効果が出るまでに時間がかかる
「心理的安全性」を高めるチームを作るのは、残念ながら一朝一夕でできるものではありません。
概念としての重要性を理解し、すぐにチーム作りに取り掛かったとしても3ヶ月程の時間が必要だとされています。
また、効果が実感できるまでの期間にはチームによって差が出てくる可能性が高いです。
元々のチームの状況によっても異なりますが、効果検証をする際には3ヶ月~1年程をかけて長期的に確認していくのがおすすめです。
研修実施までの準備の難易度が高い
研修の受講者は自分のチームの状況を俯瞰的に理解して認識する必要があります。
そのために効果的な方法の一つが事例ドラマなどの動画を研修に組み入れることです。
具体的なイメージを視聴することで、自分が置かれている状況と比較しやすくなり理解が深まるでしょう。
また、「心理的安全性」の研修には座学に加えてワークショップが多く取り入れられているのが一般的です。
コミュニケーションの方法に関する内容が大部分なので、知識としてわかっていても実際にできなければ効果が表れないためです。
研修実施までの準備の工程を考えると、膨大な時間と高い知識やスキルが必要なことがわかります。
「心理的安全性」を高める研修は、他の座学形式の研修と比較しても準備量が多く運営側の負担が大きいと言えるでしょう。
効果的な「心理的安全性」の研修の実施方法

せっかく研修を実施するのであれば、効果が高くなるように行いたいですよね。
ここからは高い効果が期待できる「心理的安全性」研修の実施方法について紹介していきます。
- 研修は長期的な計画で立案する
- 管理職から研修を実施する
- 外部依頼と内部リソースを使うところを使い分ける
いずれもすぐに取り入れられることばかりですので、企画立案の際にはぜひ検討してみてください。
研修は長期的な計画で立案する
記事の中でも紹介してきたように、組織の「心理的安全性」を高めるのは一度の研修受講だけでは難しいケースが大半です。
組織内のコミュニケーションの取り方や人間関係の改善が求められるため、研修で習得したスキルや知識を長期間をかけて実践することで徐々に変化が出てきます。
研修を実施する場合には企画立案の段階から長期的なスケジュールで検討しましょう。
初回の研修から月に1度程度を目安に、半年~1年で計画してみてください。
研修の度に組織の変化を振り返りながら、今の組織に対してどのような行動を取るべきかを都度考えていく機会を設けるのがおすすめです。
管理職から研修を実施する
研修を通してスピーディに組織の変化を狙うのであれば、組織の管理職から研修を行いましょう。
「心理的安全性」に最も影響を与えるのは間違いなくチームのリーダーです。
上司が変わったことで職場の雰囲気が改善されたり、急に業績が良くなるようになったという経験をした方も多いのではないでしょうか。
チームにとってリーダーとはそれだけ大きな影響力を持つ立ち位置だということです。
「心理的安全性」の高い組織へと変えていきたいのであれば、まずはチームの管理職を対象に研修を実施するのがおすすめです。
外部依頼と内部リソースを使うところを使い分ける
研修を全て内製化しようとすると担当者に莫大な負担がかかることになるでしょう。
「心理的安全性」を高める研修を効果的に進めるのであれば、研修の企画を立案する段階から十分に練り上げなければなりません。
他の企業の事例などをリサーチした上で、資料やワークショップの準備まで行うとなると他の業務への支障が出てくる可能性もあります。
研修コンテンツについては専門業者に依頼するのがおすすめです。
研修実績が豊富な企業に依頼することで高品質な研修を効率的に準備することができます。社員とのコミュニケーションや研修後の進捗の把握などについては、内部の担当者が行うことでスムーズな研修運営が可能になるでしょう。
コストはかかりますが、効果的かつ効率的な研修運営のためには外部の依頼を視野に入れて検討してみてください。
まとめ

職場の「心理的安全性」を高めることで、従業員一人ひとりのパフォーマンスの向上やエンゲージメントを高める効果が期待できます。
チーム作りや生産性について悩んでいる企業は、すぐにでも研修などで「心理的安全性」向上への動きを取り入れるのが良いでしょう。
しかし記事の中でも紹介してきたように、ただ研修を実施すれば良いというわけではありません。
スピーディ且つ効果的な研修実施のためにはプロの知見を取り入れるのがおすすめです。
必要な部分は専門業者に依頼することでクオリティの高い研修を実施することができます。
研修の概要や費用の確認をするためにも、まずは一度専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。